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株式のルールナンバーワン投資法の第5弾です。

 

前回は必ず押さえておくべき5つの指標(ビッグ5)として以下の5つを紹介しました。

  1. ROIC(投下資本利益率)
  2. BPS(1株あたり純資産)伸び率
  3. EPS(1株益)伸び率
  4. 売上高伸び率
  5. フリーキャッシュフロー伸び率

 

その上で、上記の順番通りで重要度が決まっていること(つまりROICが一番大事)、そして、ROICは10年間継続して10%以上でなければならないというところまで述べたと思います。

ROIC(投下資本利益率)とは

ROICは投下資本利益率ということで、「投下資本を使って会社がどのくらい利益をあげたか」を表しています。

ROICには人によって計算方法が異なる

まず最初に書いておかなければならないのは、実は、この投下資本利益率の計算の仕方には諸説あり、それゆえに会社四季報やヤフーファイナンスなどの企業情報には紹介されていないことです。

ROE(株主資本利益率)については四季報や証券会社の会社情報を見れば一瞬で分かるのですが、ルールナンバーワン投資法においては会社の利益率を見る材料として、ROICを使っています。

投下資本とは

ではROICの投下資本とは何かというと、会社が投下したコストのことです。

投下資本は「純資産(資本)」+「負債(長期有利子負債)+その他長期負債」で算出します。

つまり株主のお金である純資産と、銀行などから借りてきたお金(負債)が、会社が事業のために投下したお金と言うわけです。

上記のROEというのはあくまで株主のお金でどれだけ利益を稼いだかを示すのに対し、ROICは、株主のお金にプラスして借入金を使ってどれだけ稼いだかを表すものです。

だって、利益と言うのは、株主の利益だけでなく、銀行から借りたお金も合わせて投下して出すものですよね?

個人が自分のお金だけでなくローンを使って不動産投資をするのと同じです。

純資産

純資産は、会社の貸借対照表の総資産から負債を引いたものです。

つまり会社に残ったお金。言い換えると株主のお金(株主資本)になります。

純資産そのものは貸借対照表の資本の部に「純資産(あるいは資本)」として明記されているので、計算する必要はありません。

日本の上場企業であれば、会社のHPのIR情報から「通年」の有価証券報告書か決算短信をダウンロードし、貸借対照表(バランスシート)から確認できます。

米国株やタイ株で純資産が知りたい人も、会社のIR情報からFinancial Informationみたいなページを見つけ、バランスシートを確認すればすぐに出てくるはずです。

長期有利子負債とその他負債

ここでいう負債とは、「長期借入金」+「その他負債」で計算します。

長期借入金は、バランスシートの負債の部にあります。

負債の部の「非流動負債(あるいは固定負債)」の中に「長期有利子負債」のような形で書かれていると思います。タイ株や米国株の場合はLong term debtなどでしょうか。

その他負債についても、非流動負債の最後の方に「その他の非流動負債」のような書かれ方をしていると思います。英語の決算書の場合はOther debtsか似たような表現で。

利益率とは

これで投下資本利益率の内、「純資産+長期有利子負債+その他負債」で投下資本が算出出来ました。

次に、利益を求めます。

この利益率も諸説あり、一般的にはNOPAT(Net Operating Profit Taxes(税引後営業利益))だと言われています。

ルールナンバーワン投資法を編み出したフィル・タウン氏の著書の中でも、ROICの利益はNOPADだと書かれています。

一方で、フィル・タウン氏のHP内のビッグ5計算ツール(現在はもう無い)では、NOPADを求めるのは面倒なので、単純に当期純利益でいいと説明されていました。

と言うわけで、僕もROICを計算するときは、「利益」の部分を当期純利益で見ています。

投下資本利益率の計算

ここでやっと念願のROICが計算できます。

投下資本利益率の計算式
当期純利益÷投下資本(純資産+長期有利子負債+その他長期負債)

ROIC計算の実例

僕が投資している某銘柄で直近のROICを計算してみます。

 

  • 当期純利益:約21,000
  • 純利益:約85,000
  • 長期有利子負債:約3,200
  • その他負債:400

その結果、ROICは24%となりました。

過去10年で見ても23%なので、間違いなく要求は満たしていることになります。

さすが父の親友が創業者の会社。。父はITバブルの時に一度起業して失敗。この企業の創業者はその真逆で大成功したのですが、今でも仲が良い間柄。

おなじみのタイの優良企業のROICは?

参考までに、エービーシーマートは13%、ニトリ15%、米国のスターバックスは28%、米国マクドナルド15%、マスターカード30%、ウォルマート14%、ペプシコ15%となっています。(すべてが直近ではないですが)

タイ企業だと、僕が計算した限りだと、バムルンラード病院が21%、バンコク病院等を運営するバンコク・ドゥシット・メディカルサービスがちょうど13%程度、サイアム商業銀行がギリギリ10%ほどです。

バムルンラード病院については、僕、恥ずかしいくらい少額ですが、ほんの500万円を投資していたことがあり、平均30バーツ台で買って170バーツ(だったと思う)くらいのところで全部売却しました。

実を言うとタイで証券会社の口座を初めて開いたのが2007年で、一番最初に買ったのがバムルンラード病院なんです。

バムルンラードはリーマンショックで一度16バーツくらいまで暴落し、昨年あたりには230バーツを超えるくらいまで上昇しましたね。

さすがに頭としっぽのところでドンピシャで売買するのは無理でしたし、リーマンショックの頃は僕も20代前半とかでまだ貧しかったので、億単位での投資は不可でした。

でも当時、BHはビッグ5の基準を満たしている企業だったので、投資して正解だったと思います。

まとめ

前にも書いた通り、ルールナンバーワン投資法においては、ROICが10年間例外なく10%以上でないといけません。

出来れば過去10年平均、過去5年平均、過去1年でROICを算出して、上り調子か現状維持で10%以上であることを確認してみてください。

そしてビッグ5の中でもROICは最も重要な指標なので、気になった企業がある方は、真っ先にこのROICを計算してみることをお勧めします。

もし10年分のROICが10%を超えていれば、「この会社はいわゆる他社の追随を許さない「塀」のようなものが存在するのだな」ということが分かると思います。

その上で、ROIC以外の4つの指標を計算していけばいいのです。

なので、僕は、このROICを投資する企業のを決める際の「門前払い」の一番最初の基準にしています。センター試験をパスしないと国立大学に入学出来ないのと同じです。

何度も言いますが、ROICの計算方法は諸説あり、僕はその正道ではない超簡単なやり方で計算しています。

もしMBAでしっかりと勉強したことがある人は、それこそ一番正確な方法で計算すればよいと思います。

僕も一応は、世間では「お坊ちゃま大学」と言われている大学の経営学修士なのですが、計算が超苦手で、エスカレーターで進学できただけのびりっけつ人間だったので、ROICも簡単なやり方で計算している次第です。

次回はROIC以外の4つの指標を順番に見ていきます。

 

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